Webマーケティングを行う上で、避けて通れないスキルのライティング力。
コンテンツライティングや魅力的なブログライティング、SNSにおいての情報発信など様々なシーンでライティング力が必要とされています。特にB to Bにしろ、B to Cどちらにしても、オンラインメディアを使用した情報伝達は、信頼して任せられる人材がおらず、育成するにしてもどのような人を抜擢すればいいか悩ませることもたくさんあります。
『文章を書くには才能が必要なのだろうか?』と考えがちですが、決してそうとは限りません。
ライティングとはいえ、情報伝達方法の一つにすぎません。
伝達手段の一つである日常的に行われるビジネスコミュニケーションを上達させることが、ライティング力上達に繋がると考えられます。
論理で伝える、感情で動かす
コミュニケーションが上手な人は、いったいどういった人でしょうか?
話したいことを、論理的に伝えることができる方でしょうか。言葉を巧みに操る人でしょうか。はたまた良くしゃべる人でしょうか?
確かに一般的にコミュニケーションが上手い人っていうイメージは、よくしゃべる人と思われがちですが、相手のことを無視して一方的にしゃべる人。1のことを聞いたら4とか5とか必要以上に情報が返ってくる人です。
その場は盛り上がるのかもしれませんが、ビジネスシーンにおいて無駄なことは逆に嫌われます。他、コミュニケーションが下手な人は、問いかけに関して、意図としなかったことが返ってくるという事があげられます。
例えば、『あの仕事早くお願いね~。』って伝えて、いざ出来上がってきた内容が、伝えたものとは全く違うもの。別に急いでないものを渡されてしまった。というのも良くあります。
伝える方、伝えられた方、一概にどちらがコミュニケーション能力が低いかはわかりませんが、情報が上手く伝わってないという事は明白ですね。
カヤックという会社はご存じですか?
鎌倉にあるクリエイター集団の会社で、その会社のCBO久場智喜は、「相手の回路を開くことができる人」と言っています。
一見わかりにくい言い回しではありますが、お互いに回路が開いている状態であれば、意思疎通ができているという事に他なりません。コミュニケーションにおいて、一番大事なことは、お互いの意思疎通ができていて、その人の考えていることが理解できていることに裏付けられます。
では、意志疎通している状態とは、どういった状態でしょうか?
矢印の向いている方向で考えると、受信者は発信者の方向を向いている状態と言えます。さらに、その発信者の内容自体が理解できている状態と考えられます。理解しているという事は、イメージができているという事。お互いの脳内に描いているものが全く一緒という事に他なりません。
簡単に言うと、コミュニケーションが上手な人は、伝える相手に対してイメージできるような言葉を選び、内容を伝える。ただ伝えるだけではなく、自分の今の感情を乗せるとより一層伝わるでしょう。
感情のコントロールもコミュニケーション上手と言えます。なぜならば、人が言葉を聞いているとき、声のトーン・抑揚は、右脳が処理をし、言語は左脳が処理されるという興味深い研究結果があります。
これは、英国ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究結果で、
言葉を聞くとき、脳の中では「声の抑揚は、音楽に刺激を受けやすい脳の右側に伝えられる一方、言葉は脳の左側頭葉に入って、処理されている」そうです。
言葉の雰囲気と真の意味をそれぞれ特定するために、脳は2つの異なる場所を使っているわけです。ただ、「他の音から『言語』を区別するプロセス」は、まだよくわからないよう。
UCLの研究チームは、この疑問を明らかにしようと取り組みました。話し声と、よく似ているが話し声でない音を再生し、脳の働きを測定。「話し声は、特別な処理をするために聴覚情報の処理を担う『一次聴覚野』の近くで他の音から選び取られていた」という驚くべき結果が明らかになったとか。
引用:言葉は感情を生み出すためのもの~説得力のあるコミュニケーションに大事なこととは
また、言語情報と感情情報の研究において、感情が乗った声の方が右前頭部活動における違いが表れたそうです。また研究の過程ではありますが意志疎通という観点から言うと、感情が込められた内容の方が伝達に有利だとわかります。
伝える内容だけでなく、言葉の選び方、声のトーン、感情の選択によって、情報伝達という観点から見たらかなりの効果が期待できそうです。一見、ポジティブな内容の方が行動したいと考えられがちです。
しかし、ある実験ではネガティブな感情の方が脳は反応するという研究結果から、どういった感情でも動きはするけれど、その感情の振り幅が大きい方が脳の反応も良くなり、その結果伝わりやすくなると考えられます。
ライティング力向上における一つのマインド(考え方)では、相手の感情を意識して書くという事があります。この文章を受け取った方がどのように思うか、伝えたいことはちゃんと理解できるのか、その観点から書いたりします。
また、伝わりやすい内容においてはしっかりと情報が整理されている点が重要です。文章から読み取れる話題が行ったり来たりしてしまうと、読み手に内容が伝わらず読むのをあきらめてしまうこともしばしば。
コンテンツライティングにおいて気にしなければいけない要素で、途中離脱を回避する(滞在時間をあげる)という理由で、質は高くも飽きさせない内容が求められます。
文字情報のみである文章は、いわゆる情報伝達という観点からみたら正確に伝わらないことも多く、だからこそ感情を入れることやわかりやすい文体を心掛けるという事が大事なのです。
これを上達するためにどういったことをしていけば効果的かまとめてみました。
コミュニケーションとライティングの上達のために共通すること
仕事をする上で、コミュニケーションは大事です。そして、Web媒体において情報を発信する際、ライティング担当者を育成することも同様に重要です。では、どういった業務を通じた学習を行うのがいいと思われるのか。
基本的には、PDCAサイクルに則って行い、担当者の現状のレベルを知るというのがよいでしょう。本人に任せるのではなく、第三者の視点から見て評価することが更なる上達に繋がります。
では、どういった基軸から学習していくのがいいか。コミュニケーション力とライティングにおける相互学習というのであれば、聞く、話す、読む、書くという4つのパターンを繰り返すといいです。
外国語教育の習得理論ではありますが、ダイアログモジュール学習モデルの中では『ロールプレイモデル』、『音読モデル』、『ディクテーションモデル』、『コピーイングモデル』の4つの学習パターンを繰りかえし行うこと、そしてそれを第三者の目から評価していただくこと。これが上達のための王道です。
しかし、上達したとはいえ評価されなければ意味がないです。
そこで、発信した情報がどれくらいの評価を得ているか知るために、アクセス数や話題にしている数、Facebookにおける『いいね!』やシェアの数で評価ができるでしょう。
やがて、その数字が上がってくることで担当者も自信を持ち一人前になっていくはずです。
まとめ
コミュニケーション能力が高い人は総じて、相手のことを思いやって意思疎通をしています。これはライティングにおける情報発信する際に必要な書き手の意識です。
ライティングスキルを習得する、または向上させるためには、PDCAサイクルと経験学習が当てはまりやすいものです。不特定多数に発信した内容は、受け取った読者から思いがけないフィードバックを頂くこともあります。
反応があった内容を自分一人ではなく周りの人とコミュニケーションをとり、分析していくことで、それを自分の経験として取り込み、活かすことがライティング力上達に繋がることでしょう。