アイデアを生むための思考法~発散と収束の効果的なメソッドを習得する~

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アイデアを生み出す方法・思考法についてまとめていきます。本内容は、ビジネスワークショップで学んだことを自分の中で実践している内容になります。

目的は、本プロセスを通じ、誰でもアイデアが出せるようになることです。最初は慣れの観点から、戸惑うこともあるかもしれません。しかし、繰り返しワークをやることによって、アイデアがスムーズに出てくるようになります。

いきなりヒットするようなアイデアが出るわけでもなく、たくさんのアイデアの素を出し、凝縮することで優れたアイデアに繋がります。いわば、濃縮ジュースみたいな状態ですね。ヒットするようなキャッチコピーや商品は、1万を超えるような原案から絞り込んでいくそうです。

アイデアの素になる案を出すのが苦手な人でも、この方法を活用すれば、強制的に出せるようになります。もちろんアイデアを出すのには慣れが必要です。プロセスを繰り返すことで、アイデアがどんどん出るようになるでしょう。

まずは一連のプロセスを理解し、アイデア出しに集中できるような状況を作ってください。

【準備】アイデアを生み出すために役立つ身近なアイテム3つ

まず、アイデアを生み出すために役立つアイテムを準備しましょう。誰でも手に入れられる身近なアイテムがとても役に立ちます。

  • ペン(マジックなどの太ペン)
  • 大きめの付箋(大人数で行うなら模造紙も追加)
  • キッチンタイマー(スマホのタイマーでも可)

アイデアを出す時は基本的に紙に書くようにします。人によっては、パソコンを活用する人もいますが、紙に書くという行為は、脳への刺激も与えられます。視覚だけでなく、触覚や嗅覚、聴覚も刺激します。また、デジタル機器からのストレスもないため、リラックスした状態でアイデア出しに当たれます。

また紙に書く場合、付箋を活用します。大量に出たアイデアを後にカテゴライズ(グルーピング)するため、ペタペタ貼れる付箋がよいのです。小さな付箋ではなく、しっかり文字が書ける付箋(5cm角以上)をおすすめします。

さて、次にアイデアを生み出すプロセスを知っていきましょう。

優れたアイデアを生み出すためのプロセス

優れたアイデアを生み出すためには、アイデアの素となる材料(情報)をたくさん出す必要があります。たくさんの材料(情報)を出し、質のいいアイデアに進化させていきます。

アイデアの素を出す方法としては、ブレインストーミングを通じて行う方が多いと思います。しかし、案や意見が全然出てこない方もいらっしゃるでしょう。

今回紹介する方法は、ブレインストーミングに織り交ぜることでも活用できます。

まず、優れたアイデアを生み出すためには膨大な情報が必要になることを覚えておいてください。稀に瞬間的にアイデアをひらめく人もいらっしゃいますが、そういった方は、その物事に関して四六時中考えていることや、膨大な知識を蓄えている可能性があります。

情報を出すということは、膨大な知識を見える化することと同じなのです。

アイデアの素となる情報を大量に出すコツ

アイデアの素となる情報を大量に出すコツは、まず付箋を用意します。1分~2分間と時間を決めて、お題に対しての回答を出していきます。時間はなるべく短くして、集中することが大事です。

最初のうちは、数個に留まるかもしれませんが、繰り返しこのワークをやっていけば、1分間に10を超える案が出てきます(多い人では20個近く出します)。

またひとりでやるのではなく、チームで臨むのをおすすめします。1人平均が20個の案を出すことができれば、単純に10人いれば、単純計算で200個の原案が出てきます。もちろん内容が被る事もありますが、それでも自分一人でアイデアを出すより膨大の数が出てきます。つまり被っても気にしないで大丈夫です。

大人数で行う場合、ひとりで出す以上の効果が生まれるでしょう。また、その時の人選はできるだけ違うバックグラウンドを持っている方を推奨します。思考が違えば面白いアイデアの素が出てきます。

そして付箋への書き出しを行う心構えは、ポジティブでオープンな気持ちが重要です。
ポジティブな思考で、お互いの意見をベタ褒めするくらいがちょうどいいです。

逆にネガティブな思考や会話は厳禁です。「このアイデアは否定されてしまうんじゃないか」とメンタルブロックが働くため、思考をフル回転させる感覚を身につけてください。

アイデアの素を絞り込む(収束させる)

アイデアの素となる付箋が大量に生まれたでしょう。次に、絞り込み作業に入っていきます。

絞り込む際は、ネガティブな意見や厳しい見方をするのをおすすめします。ただ、グループでやる際に自分が出した案に対してダメ出しされたとしても、気にしてはいけません。目的は、優れたアイデアを出していくための材料になるため、捨てる材料が出てくるのは当たり前のことです。

ある程度絞り込んだら、前項で行ったプロセス(時間を決めて付箋に書き出すワーク)をもう一度行います。するとさらに出した案は、前回に比べてシャープになっていくでしょう。そして、出てきた案をさらに絞り込んでいきます。

この情報を大量に出す。絞り込むの作業を繰り返し行なっていくことで、よりシンプルで尖った情報になっていくでしょう。

強制発想で生み出す!クリエイティブマトリクスを活用

短時間で大量のアイデアを出さなければいけないときや、どうしてもアイデアが出ない時はどうしたらよいでしょうか。その方法を教えます。

効率よく案を出していきたいなら、クリエイティブマトリクスを活用した方法がおすすめです。クリエイティブマトリクスとは、マス目をつくり、縦軸と横軸のテーマを決め、テーマとテーマが重なり合うマスに、2つの言葉から連想する単語を入れていきます。

例えば、10×10のマスでワークを行った場合、全部のマスが埋まれば100個もの案が出てきます。

クリエイティブマトリクスを完成させる上で重要になるのがテーマ設定です。基本的にどのようなテーマでも大丈夫ですが、最初は、片方に人に関すること。もう片方には、解決する手段・状況を入れると良いです。

付箋を使って大量の案を出し、該当するマス目に貼っていくというのもおすすめです。

キーワードを用いた方法も有効

強制発想法のひとつに10個のキーワードを用いた方法もあります。このキーワードは、ブレインストーミングを考案したアレックス・F・オズボーンが提唱した内容で、水平思考(ラテラルシンキング)も有効です。

  • 1:転用・・・他に使い道はないか
  • 2:応用・・・他事例にあてはめられないか
  • 3:変更・・・別のものに変えてみたらどうか
  • 4:拡大・・・大きく(増や)したらどうか
  • 5:縮小・・・小さく(減ら)したらどうか
  • 6:代用・・・他のもので代用できないか
  • 7:再利用・・・また使えるかどうか
  • 8:逆転・・・逆にしてみたらどうか
  • 9:結合・・・組み合わせてみたらどうか
  • 10:置換・・・置き換えてみてはどうか

ブレインストーミングをする際に上記のキーワードを用意しておき、集中的にその事柄について考えさせることができたら、新たな発想が生まれます。

これらのキーワードが手がかりとして働くので、積極的に連想発想がしやすいです。ブレストが苦手な方でも、意識的にキーワードを覚えておけば、湯水のごとく出てくるでしょう。

アイデアを進化させる3つの思考

これまで、アイデアの素となる材料(情報)の出し方をシェアしました。大量の情報の中から、優れたアイデアにしていくために進化させていく必要があります。次にあげる3つの方法を使い、材料(情報)を進化させ、優れたアイデアを生み出してください。

  • 【統合思考】アイデアを統合する
  • 【転換思考】アイデアを転換する
  • 【テスト思考】アイデアをテストする

それでは、各々のやり方を深めていきましょう。。

統合思考・・・アイデアを統合する

たくさんの発想からアイデアが出てきました。出して満足という状況にしないことが大事です。

アイデアに隠れたエッセンスを見抜き、エッセンスを組み合わせると新たに優れたアイデアが生まれてきます。複数の価値を一度で実現するアイデアが創造できます。

転換思考・・・…アイデアを転換する

そもそもの前提を疑い、発想を転換させることが新しいアイデアを創出する鍵になります。その際に目的や実現したい結果を念頭に置く必要があります。

視野が狭くなると、どうしても客観視できなくなります。新しい方を入れることで、視野が広がることでしょう。

テスト思考…・・・アイデアをテストする

実際にアイデアを形にして、テストしてみると良いです。テストし、ユーザーからのフィードバックを得ることで、アイデアが広がります。より実用的な内容になるでしょう。

テストを行うためには形にする必要があります。形にする過程で、新たな発見もあるため、やってみると良いでしょう。

優れたアイデアとは何か?

これまで、アイデアの素となる材料の出し方や優れたアイデアを生み出すための3つの思考を伝えました。

ここでもう一度、優れたアイデアとは何かをもう一度考えておきましょう。

  • 誰も思いつかない着想?
  • 誰もが気づかないような圧倒的に優れた内容?
  • ユーザーの潜在的ニーズを満たすようなもの?

上記のような内容を想定するかもしれません。

どんなサービスや商品であったとしても、基本的に相手がいます。ユーザーやお客様という言い方もできるかもしれません。そして、現実的に抱えている課題を同時に解決するものが優れたアイデアとも言えます(任天堂の宮本茂さんの名言です)。

アイデアをグーグルで検索してみると【(新たに始める)物事の中核となる考え。着想】と出てきます。ギリシャ語のイデア(idea)を見てみると、観念や理念、哲学という意味も混ざっているようです。

アイデアと発想は別のものとして考えられることが多く、新たな発想に磨きがかかって、優れたアイデアに昇華されるのです。

得たい結果を見失わないことが大事

アイデアの素となる材料を出し、使えるアイデアに昇華させていくプロセスを理解したかと思います。アイデアとは問題解決と同義であるため、ご自身が得たい結果や目的を見失わないことが大事です。

意見がたくさん出てくると、気持ち的にも楽しくなっていきます。そのため、ブレてしまうこともあるのです。情報を整理する際でも、優れたアイデアに昇華させていくときにも、自分自身が得たいと思っている結果を見失わないことが大事です。

言い換えるならば、勝利条件や目的みたいなものです。勝利条件を常に見えるところに貼っておき、常に意識しておくことも必要です。

終わりに

優れたアイデアを出すためには、正しいプロセスをたどることが鍵です。天才が行うようなひらめきのようなアイデアは、万人に出せなくても、たくさんの材料(情報)を出し、絞り込んでいく作業は誰にでもできます。1度や2度の繰り返しではなく、何度も重ねることが重要です。

そして原案を優れたアイデアに昇華させていくためには、統合思考や転換思考、そしてテスト思考が必要です。

努力を重ねることで優れたアイデアを出していくことになりますが、努力は誰にでもできることです。アイデアを出していくための正しいプロセスを踏み、あなたが作り出した商品×サービスで、少しでも多くの人が幸せになることを願っています。